“好き”“嫌い”
「好き」と言う言葉
どうして言えないんでしょう
「嫌い」と言う言葉
どうして言えないんでしょう
「好き」と言えばそれまで…
「嫌い」と言えばそれまでかもしれない
だからそれまでには なりたくないんです
「好き」と言う言葉も
「嫌い」と言う言葉も
みんな言った時から
だれかを変えるんじゃないかしら?
あまりにも恐ろしいから
言えないんです
「好き」と言う言葉
「嫌い」と言う言葉
北風の吹く町
北風が読みかけの本のページをめくる
そっと ほほに ふれていったから
ほんのちょっぴり 嬉しくなりました
北風がマフラーの中まで入りこんでくる
そっと 北風が キスをしていったから
おもわず目を つむりました
北風が半分開いた窓から顔を出し
カーテンと遊んでる
そっと そばへ よろうとしたら
私の書きかけの手紙を持って逃げた
銀の指輪
ワイングラスに満たされた
豊穣のワイン
私も愛をそそげる物が
欲しいです
一匹の子犬でも
青い小さな花でも
私の愛の証拠に なるならば
あなたの左手のクスリ指の銀の指輪
私が知らない あなたの世界
私の目の前で 銀の輪が光る
私はなぜ あなたにひかれるのか
私の指に落ちることのない
あなたの銀の指輪
私の桜貝
時が過ぎて
違った夏が近づいてきました
そして私の中に海の青いさざ波のような
思い出が残りました
すきとおった水に 桜貝が
ゆらゆら ゆれているように
思い出だけが
私の心の中で ゆれています
若葉の陰から ちょっぴり
夏が顔を出して
桜貝のような
私の思い出だけが 残りました
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希望
ステキな絵本を読んでいても
キレイな絵を見ていても
本当は 私の心は
カラッポなんです
うっとりするような詩を書いていても
涙の止まるようなレコードを聞いていても
本当は 自分の心をどこに
はこんだらよいのか わからないんです
粉雪の舞う朝
粉雪の舞う朝でした
夕べ舞い上がったばかりのドレスに身をつつみ
ベールのかわりに粉雪をつけ
私は花嫁になりました
バラもカトレヤもダイヤの指輪もなかったけど
友にもらった マーガレットを抱いて
二人は教会に入りました
ハネムーンのかわりに
遊園地でメリーゴーランドに乗りました
小さな部屋にあったのは
白いテーブルだけだったけど
あの朝のコーヒーは
この上もなくおいしいものでした
太陽をつかむまで
どこかにあるさ
四つ葉のクローバー
こんな広い野原だもの
きっと たくさんあるはずさ
いつか ぼくも
愛を この手に歩いてゆける
幼かった頃のように
胸をはって…
探そう それまで
歩こう それまで
今はまだ 一人でいいさ
いつか 太陽をつかむまで…
言葉
たった 一言の言葉なのに
言えないんです
心の奥にそっとしまって
置きたいような言葉なんです
たった 一言なのに
たいせつな私の宝物
何度も言おうとしました
何度も…
でも 誰かが心の奥で
「言っちゃだめ」って…
そう もう あれから一年もたつのでしょうか?
私はあなたの前にたたずみ
目を大きく見ひらいて言いたいんです
今なら誰にもとめられない
勇気が私の心の中にあるから…
誰にも負けない美しい言葉
「愛しています」 って…
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