中国の図像を読む | |||||||
第六節 黄金バットは中国生まれ?《14p》 | |||||||
(「七、日本の蝙蝠文」のつづき) |
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さらに日本で用いられた非常に珍しい例として、家紋として用いられた蝙蝠文がある。
先ほど紹介した歌舞伎の市川団十郎の替紋として用いられたのが有名ではあるが、それ以外にも中国から帰化した張季明の後胤である山本氏が
用いているものがある。(四十八図)(注19) こうして江戸時代に日本でも流行した蝙蝠文は、現在も細々ではあるが用いられ続けている。四十九図のものは 現在の伊万里焼に意匠化された、ちょっと変わった蝙蝠の例であり、あるいは五十図のものは祝いの場で用いる女性の帯留めに 蝙蝠がデザインされている例である。さらに長崎に本店をもつカステラの福砂屋ではその商品の登録商標として五十一図に あげるような蝙蝠文を使用しており、またその包み紙にも蝙蝠を図案化したと思われる五十二図のような文様を用いている。 さらに我々に身近なところでは、祇園祭の際に稚児が乗り、注連縄切りを披露する長刀鉾の欄縁金具にも五十三図に あげるように蝙蝠が描かれている。(この章続く) |
![]() ![]() 四 十 八 図 蝙蝠の家紋 (『家紋逸話事典』(上) ・『日本の文様二四 けもの』(下)より) |
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【注釈】 19、『日本の紋様24 けもの』光琳社出版「けものと紋様」 |
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