大拙と松ヶ岡文庫

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新編仏法大明録
[しんぺんぶっぽうだいめいろく]
八冊


松ヶ岡文庫蔵
紙本墨書 糸綴(もと粘葉装) 縦24,9×14,7(第一冊目)
鎌倉時代(正嘉元年=1257)


 中国宋代の圭堂居士の編になる禅籍。本書は『華巌経』などの経典と『景徳伝灯録』などの禅録を引用し、禅の立場より儒仏道三教一致の思想を説いている。日本へは円爾弁円(1202〜80)が宋版を将来。本品は、全二十巻中、巻十〜十二・十八・十九の5巻を欠き、他巻も1部を欠く。第一冊の奥書に「正嘉元年閏三月廿二日於普門寺/書写畢」とみえ、さらに陽刻朱方印「普門院」「光明院」が捺されことから、東福寺蔵の宋版『仏法大明録』(重要文化財)を転写したものがこれにあたり、円爾の蔵書であったと想像される。積翠軒文庫旧蔵。積翠は銀行家で蔵書家であった石井光雄(1881〜1966)の号。


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