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観音菩薩半跏像 [かんのんぼさつはんかぞう] 一躯 東慶寺蔵 木造 像高63,5 南北朝時代 右手を膝の後ろについて軽く躰をあずけ、左足を踏み下げて坐す。裳裾はゆったりと垂れ下がる。このようなくつろいだ姿の観音像は、中国の宋・元時代に流行し、その影響を受けて日本では鎌倉時代後期頃からつくられるが、鎌倉地域以外にはほとんど遺例がない。本像は正慶元年(1332)大仏師三河法橋院恵の子息院誉作の銘を持つ横浜慶珊寺の十一面観音半跏像(神奈川県指定文化財)に極めて類似した像容であるが、同像に比してやや重厚感や迫力を欠いている。しかし、理知的な面部や繊細な彫技から、それほど下った時期の制作ではないと考えられる。現在は東慶寺宝蔵に展示されているが、もとは松ヶ岡文庫の仏間「自安堂」に祀られていた。また、胎内には摺経などを納めていたが今は別に保管されている。 ※画像をクリックすると大きい画像をみることができます。 |