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臨済録抄 [りんざいろくしょう] (五逆人聞雷) 四冊 松ヶ岡文庫蔵 紙本墨書 袋綴 縦25,2×横20,1 江戸時代(正保2年=1645) 『臨済録』の講述の筆記録。本書の選者は不詳で、室町末期頃の成立とされ、仮名交じりの口語体で記される。『臨済録』とは、臨済宗の開祖である臨済義玄(慧照)(?〜866、1説には867)の語録で、『鎮州臨済慧照禅師語録』とも称す。弟子の三聖慧然(生没年不詳)が編集し興化存奨(830〜88)が校勘した。 本品は、臨済宗の僧沢庵宗彭(1573〜1645)の書写本で、各冊子の表紙左方には「五逆人間雷 頓(漸・秘・密)」と墨書された題箋が貼られ、「宗彭」の朱印記を捺す。沢庵は後水尾天皇(1596〜1680)の紫衣勅許をめぐる紫衣事件で、江戸幕府の宗教行政に抵抗して流罪となるが、その後、三代将軍家光(1604〜51)の帰依を得て、品川に東海寺を創建したことで知られる。積翠軒文庫旧蔵。 ※画像をクリックすると大きい画像をみることができます。 |