正規表現を使用する利点
現在、正規表現はさまざまなテキストエディタやプログラミング言語にあらかじめ組み込まれて、幅広く使用されています。
正規表現を使用する最大のメリットは文章処理作業の効率化を図れることです。とくに、文書ファイルを製作しているとき、一括して文字列の置換を行いたいときなどに威力を発揮します。標準的な検索・置換機能でもある程度の作業は可能ですが、正規表現を使用すれば「行頭の単語のみ」や「前にXXという文字列があるもの」というような複雑な条件付けを行うことが可能なのです。
例えば、下のような電話番号のリストがあったとします。表記の形式は3桁ごとに-でつなぐものと、()でくくるものがあり、その中から”075”から始まる番号のみをピックアップしようと考えました。
075-432-3131 |
075-411-8123 |
077-578-6600 |
075(432)3131 |
075-6458-0125 |
077(582)6512 |
一般的な検索機能だと、これらの条件を一回で満たす検索は難しいと思います。しかしながら、正規表現を使用すれば、一回の操作で条件にあった検索が可能となります。
また、置換の例として次のようなこともできます。
コンピューターの周辺機器として、代表的なものはプリンターやスキャナーです。また、フライトシミュレーター用のジョイスティックやアクションゲーム用のゲームパッドなども販売されています。 |
この文章中において、プリンターやコンピューターなど、カタカナ語の後ろにある”ー(伸ばし棒)”のみを一回の作業で削除することも可能です。
今回の例くらいの分量なら、一つずつ手作業で直していってもあまり時間が変わらないかもしれません。しかし、文章中に対象が100や200ある場合だと、正規表現を使用した方が遙かに少ない労力で済みます。
正規表現はJavascript、Java、Perlなどのプログラミング言語、サクラエディタやJ-editXなどのテキストエディタにも組み込まれています。本教材では扱っていませんが、さまざまなプログラミング言語と正規表現を組み合わせることにより、さらに高度な処理を行うことも可能です。