2004年度 卒業論文

インターネットコラボレーションツールWikiの考察

大谷大学 人文情報学科

水田庄一


 インターネットを介して、複数のユーザーによる共同作業を行うことを可能とする、インターネットコラボレーションツールWikiの考察をテーマに論文を書き上げました。

 このWikiを利用したウェブサイトが非常に有益なものであるということが近年多くのインターネットユーザーに認知されはじめ、それにともなってWikiサイトも数を増やし、インターネットに普及してきました。しかし、Wikiサイトの運営にはシステム的なものから人為的なものまで、多くの問題が起こる可能性があるという点を意識して論文を製作しました。

 論文の内容としては、まず最初にWikiというツールの簡単な概要を紹介し、Wikiの歴史に続いて現状の報告を序論と第一章にわたって記しました。現在、Wikiサイトは非常に多くの用途に使われているほかに、その公開形態も、完全にオープンなサイトもあれば、逆に限られたメンバーだけで利用されているWikiサイトもあるなど、Wikiサイトの多様化について詳しく述べています。

 次に第二章でWikiサイトの問題点を提唱しました。その中でも特にWikiサイトのコンテンツ保護の脆弱性と相性の悪い利用用途の二つを重点的に言及しました。コンテンツ保護の脆弱性については、Wikiのシステム的な面と人為的な面の二方向から問題点を取り上げました。そしてこれらの問題点を提唱する際には、インターネット上に実際に存在するWikiサイトを実例に挙げながら、考察していきました。

 そして最後の第三章では、二章で挙げた問題点への対処法を検討し、論じました。具体的にはWikiサイトのコンテンツ保護の脆弱性への対処法を複数提唱して、それらの解決策についての考察と、Wikiサイトと相性のよい利用用途と、相性の悪い利用用途を、それぞれ他のインターネット共同作業ツールと比較しながら考察しました。

 結論としては、コンテンツ保護の脆弱性に、サイトの管理者はもちろんのこと、サイトを利用するユーザー全員が問題点に対処することによってはじめて、Wikiサイトはインターネット共同作業ツールとしての役割を最大限に発揮することができるようになるということと、Wikiサイトが全ての共同作業の場に必要とされているというわけではなく、向き不向きがあって、Wikiサイトが最も向いていると思われるのはインターネットを利用した不特定多数のユーザーによる共同作業であるということ。これ以外の目的によりWikiサイトを立ち上げようとする場合は、Wikiサイト以外のツールの導入も同時に検討するべきであるということなどが結論として導き出されました。