テレビメディアに見る現代人の言葉使いについて
−テロップを例にして−
大谷大学文学部人文情報学科学生番号 0148118 山村 武史
はじめに
現代人の言葉使いが乱れてきていると取り上げられることが新聞やテレビメディアでしばしばある。その原因としてテレビメディアが最も情報媒体の中で影響しているという。特に最近テレビメディアなどによく見かけるようになったテロップと呼ばれる字幕に関連づけてなぜ急に増えたのか、増えた理由には現代人の言葉使いが関係しているのではないか。
第一章 映像メディアに見るテロップの歴史
テレビ番組の字幕放送と映画字幕の歴史に触れ、テロップが作られたのは聴覚障害者中心のものであり、現在テレビメディアで見ている派手でユニークなテロップではなかった。現在の派手でユニークなテロップは聴覚障害者のため以外にどのような影響をテレビメディアや私達に与えているのだろうか。
第二章 現代人の言葉使いとテロップの動向
第二章では、現代人の言葉使いの乱れとされている代表的なものを挙げ、それらを修正するためにテロップは付けられているか見るために、某テレビ番組の統計を取り言葉使いの乱れとされるものに種類分けをした。
第三章 テロップの統計による考察と今後
統計結果により、現在、見られる派手でユニークなテロップは現代人の言葉使いを修正するための効果を望んでいるのではなく、番組を作る側の考えで視聴者のために作られ、番組をより面白くしたり、視聴者に内容を分かりやすくしたりするための効果を望んでいるようである。また途中から番組を見た人のためや一瞬しか見られない人でも内容が分かるという効果も持っている。
終わりに
テレビメディアに見られる言葉使いを見てみるとテレビメディアの中で芸能人達が話している言葉が乱れているというよりも、テレビメディアで「ことば」が乱れていると簡単に扱う方が問題である。正しいことばなどというものが存在するのだろうか。誰のことばが、正確でこの言葉は間違っているという明確規定を仕分けてそれをものさしとして当てはめていけば確かにある程度、正しいことばを見極めることは可能だったかもしれない。しかし、時代とともに新しいことばが生まれては消えていく現代では難しいであろう。このようなことを考えれば、あの言葉は、間違っているとそう簡単に扱うことは出来ないであろう。若者言葉は年配の人からすれば批判の対象であるし、古くからある言葉を古い、話しにくいと若者は受け付けない。そんな時「ことば」は話し相手によって自由自在に変化し、このような時代の中でも年齢、性別に関係なく、私達は、ことばを使いコミュニケーションを同じ日本文化のなかで取れている。このような「ことばの自由さ」を乱れとしてテレビメディアで取り上げるのではなく、すばらしいと考えるべきである。