消費者心理におけるメディアの影響−ヒット曲誕生のメカニズム−
0148059 人文情報学科 末盛拓
はじめに
年間1万タイトル以上発売されるCDの中には、当然ヒットするもの、ヒットしないものが出てくる。つまりミリオンセラーなどのビックヒットの作品は全体のほんの一握りでしかない。レコード会社はCDをヒットさせるために様々なメディアを使い宣伝する。ヒット曲にはメディアとの連携が必要不可欠である。本論文では、1990年から2003年までのヒット曲とメディアの関係を考察しヒット曲はどのように生まれるのかについて書いていく。
第1章CDを売るためのメディア戦略
90年代のミリオンセラー続出の背景にレコード会社はどのようなメディアを使いCDをプロモーションしていたか、また、そのメディアの特徴について書いていく。
第2章1989年から2003年までの音楽業界
実際に1990年から2003年にかけてのミリオンセラー作品がどのようなタイアップにより、ヒットしたのか、また年々どのように変化してきたのかについて書いていく。また、史上最多のミリオンセラーに沸いた1990年代だったが、1999年以降、音楽業界はCDの売上不振で低迷が続いている。ミリオンセラー作品も1998年はアルバム、シングル合わせて23作品あったのが2003年には11作品まで落ち込んでいる。このミリオンセラー作品が減少した1番の原因は音楽業界全体のCD売上が低下傾向にあるからである。しかし私はもう1つの原因として消費者の音楽の好みが多様化してきているからではないかと考える。なぜそのように考えるかを「インターネットの誕生」、「外資系レコードショップの進出」、「インディーズの人気」を例に上げ書いていく。
第3章結論
1990年代にできたテレビドラマ、CMのタイアップ=ミリオンセラーという方程式は、もう通用しない。しかし、だからといってヒット曲が偶然誕生するわけでもない。ヒット曲にはメディアとの連携が必要不可欠である。私は近年レコード会社がテレビやラジオなどのメディア戦略から携帯電話やインターネットなどの新しいメディアによるメディア戦略に変化してきているのではないかと考える。その結果、音楽配信、DVD、インターネットでのCD販売など新たな動きもでてきている。つまり今後この新たなメディアをいかにうまく使い、消費者に宣伝するかがヒット曲誕生の鍵となる。