おわりに

 

 世界では、現在もミイラを作られているという。それらは、多くは社会主義国家の思想的シンボルとして作られた。中国の毛沢東や旧ソ連のレーニン、ベトナムのホー・チ・ミンのものがそうである。これらは最新の腐敗処理技術を使い、生きていたときと同じ状態で保存されているという。日本で今も即身仏になろうとしても、それはできない。間違いなく人の手助けが必要となる。現存する即身仏もすべて、近隣の信仰を集めた修行僧が多い。これだけの信仰は実際には過酷な修行と卓抜した日頃の行跡がなければ得られないものである。

 仮にこれだけの修行を続け、信仰を克ち得ることが出来たとしても、現在土中入定により即身仏になるのは大変難しい。なぜならそれは、法律に触れるからである。

 ミイラに対する思想はそれぞれ特徴を持っている。理由は様々であるが、信仰上に生まれたものが多いということがいえるであろう。

 まだ、ミイラは多くの謎に包まれている。これから、その謎を一つ一つ解き明かせるよう調べていきたい。