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大好き01  今日はママぐまとパパぐまのお祝いの日。
 そう、結婚記念日です。
 クマの坊やは妹と一緒にご馳走を作ることにしました。

「ママとパパに内諸でカレーを作ってびっくりさせようよ」

「お兄ちゃん、頭いい!」

「シーッ!! ばれちゃうよ。

(ひそひそ声で)
ママとパパが出かけたら早速買い物に行こう」












daisuki02 ママ「それじゃ行ってくるわね」
パパ「パパたちが帰るまでしっかりお留守番するんだぞ」

「はぁーい」

パパ「喧嘩したりするんじゃないぞ」
「はぁーい」

パパ「勝手に外に出ちゃいけないぞ」
「……ハハハハハ わかってるよ」

「お兄ちゃん、外に出ちゃダメだって! どうしよう」

パパ「何だ? 何の話だ?」
「な、な、なんでもないよ。早く行かなきゃ映画に間に合わないよ」

ママ「本当だわ。パパそろそろ行きましょ。この子達は大丈夫よ」
パパ「そうだな。それじゃ行って来るよ」

「行ってらっしゃい」

  パタン

 パパとママが出かけたのを確かめて、2人はお小遣いをにぎりしめ、外へ飛び出しました。












daisuki013 (ゆっくり半分まで抜いて止める)

  グー グー グー グー

八百屋さんの前に着くと、ゾウのおじさんがぐっすり眠っていました。

「これじゃ、買えないよー。お兄ちゃんどうしよう」

「うーん。大きな声でおじさんを起こそう」

「せーの、すません……あのおじさん?」

 (ゆっくり全部抜く)

「あの……すいません……
おじさん!! おきてよー!












daisuki04 ゾウ「んー、なんだ? あぁ小さなお客さんたち、気づかなくてごめんよ」

 (ぬく)

「あのね、おじさん。人参と、ジャガイモと、あと……」
「タマネギ下さいな」

クマの坊やの妹もお兄ちゃんに負けずに大きな声でいいました。

ゾウ「2人でおつかいかい? エライねー」
「エヘヘヘヘ、ご飯も僕たちだけでつくるんだよ」
「作るんだよ」
ゾウ「そりゃ、すごいじゃないか。もしかして、今日作るのはあれかな?
 お鍋でグツグツ煮て、スプーンでパクッと喰べる、みんなもおじさんも大好きな……」

「そうだよ。だからこれからルーを買いに行くんだよ」
「行くんだよ」

ゾウ「ちょっと待ちな。いい子の2人におじさんがサービスで、さっきもらったルーとお肉をおすそ分けしてあげよう。」

「本当? わーい、おじさんありがとう」
「ありがとう」












daisuki05 2人で重たい荷物をもちながら、ようやく家に帰ってきました。
「まずは、野菜を洗おう」

 (ちょっと抜く)

「洗おう」

  ドロンコばいばい きれいになあれ
  ドロンコばいばい きれいになあれ

 (ちょっと抜く)

「よしっ、次は包丁で切ろう」
 
「切ろう」

  左手猫の手 右手はトントン
  左手猫の手 右手はトントン

「よしっ。最後はお鍋に切った野菜とお水を
たっぷり入れてグツグツ煮よう」
「グツグツ煮よう」

 (全部抜く)

  お鍋のお水はアッチッチ 野菜は泳ぐよスーイスイ
  お鍋のお水はアッチッチ 野菜は泳ぐよスーイスイ













daisuki06 「そろそろルーを入れようか」

「入れようか」

 そこで、クマの坊やは、ゾウのおじさんに貰ったルーを、お鍋にそっと入れました。

   (抜く)

「あれ? 何で白いんだろう」

「これ、カレーじゃない! お兄ちゃんのバカー」

「僕、ちゃんと作ったもん」

「わーん。バカバカバカ」

「泣かないでよ。僕まで泣きたくなっちゃうだろ」

その時

  (抜く)












daisuki07   ガチャ

パパ「ただいま」

ママ「今帰ったわよ」

「ママー!、パパー!」

ママとパパの顔を見たとたん、クマの坊やもこらえていた涙があふれ出てきました。

ママ「あらまぁ、どうしたの」

「カレーがぁ、カレーがぁ」

ママ「カレー? これシチューじゃない! ふたりでつくったの?」

「えっ! シチュー?」

そうだったのです。ゾウのおじさんがくれたルーは、シチューのルーだったのです。












daisuki08 パパ「ふたりともありがとう」

ママ「おいしそうなシチューだわ」

「カレーじゃなかったけどね」

パパ「八百屋のゾウさんはシチューが大好きだからな」

「そっかあ」

「そっかあ」

ママ「けど、ママはシチュー、好きよ」

パパ「パパもシチュー、好きだぞ」

「あたしも!」

「僕もシチュー、大好き。あとね、あとね、パパとママ、」

  (抜く)












daisuki01 大好き