![]() |
今日はママぐまとパパぐまのお祝いの日。 そう、結婚記念日です。 クマの坊やは妹と一緒にご馳走を作ることにしました。 兄「ママとパパに内諸でカレーを作ってびっくりさせようよ」 妹「お兄ちゃん、頭いい!」 兄「シーッ!! ばれちゃうよ。 (ひそひそ声で) ママとパパが出かけたら早速買い物に行こう」 |
![]() |
マママ「それじゃ行ってくるわね」 パパ「パパたちが帰るまでしっかりお留守番するんだぞ」 兄「はぁーい」 パパ「喧嘩したりするんじゃないぞ」 兄「はぁーい」 パパ「勝手に外に出ちゃいけないぞ」 兄「……ハハハハハ わかってるよ」 妹「お兄ちゃん、外に出ちゃダメだって! どうしよう」 パパ「何だ? 何の話だ?」 兄「な、な、なんでもないよ。早く行かなきゃ映画に間に合わないよ」 ママ「本当だわ。パパそろそろ行きましょ。この子達は大丈夫よ」 パパ「そうだな。それじゃ行って来るよ」 兄「行ってらっしゃい」 パタン パパとママが出かけたのを確かめて、2人はお小遣いをにぎりしめ、外へ飛び出しました。 |
![]() |
(ゆっくり半分まで抜いて止める) グー グー グー グー 八百屋さんの前に着くと、ゾウのおじさんがぐっすり眠っていました。 妹「これじゃ、買えないよー。お兄ちゃんどうしよう」 兄「うーん。大きな声でおじさんを起こそう」 兄「せーの、すません……あのおじさん?」 (ゆっくり全部抜く) 兄「あの……すいません…… おじさん!! おきてよー!」 |
![]() |
ゾウ「んー、なんだ? あぁ小さなお客さんたち、気づかなくてごめんよ」 (ぬく) 兄「あのね、おじさん。人参と、ジャガイモと、あと……」 妹「タマネギ下さいな」 クマの坊やの妹もお兄ちゃんに負けずに大きな声でいいました。 ゾウ「2人でおつかいかい? エライねー」 兄「エヘヘヘヘ、ご飯も僕たちだけでつくるんだよ」 妹「作るんだよ」 ゾウ「そりゃ、すごいじゃないか。もしかして、今日作るのはあれかな? お鍋でグツグツ煮て、スプーンでパクッと喰べる、みんなもおじさんも大好きな……」 兄「そうだよ。だからこれからルーを買いに行くんだよ」 妹「行くんだよ」 ゾウ「ちょっと待ちな。いい子の2人におじさんがサービスで、さっきもらったルーとお肉をおすそ分けしてあげよう。」 兄「本当? わーい、おじさんありがとう」 妹「ありがとう」 |
![]() |
2人で重たい荷物をもちながら、ようやく家に帰ってきました。 兄「まずは、野菜を洗おう」 (ちょっと抜く) 妹「洗おう」 ドロンコばいばい きれいになあれ ドロンコばいばい きれいになあれ (ちょっと抜く) 兄「よしっ、次は包丁で切ろう」 妹「切ろう」 左手猫の手 右手はトントン 左手猫の手 右手はトントン 兄「よしっ。最後はお鍋に切った野菜とお水を たっぷり入れてグツグツ煮よう」 妹「グツグツ煮よう」 (全部抜く) お鍋のお水はアッチッチ 野菜は泳ぐよスーイスイ お鍋のお水はアッチッチ 野菜は泳ぐよスーイスイ |
![]() |
兄「そろそろルーを入れようか」 妹「入れようか」 そこで、クマの坊やは、ゾウのおじさんに貰ったルーを、お鍋にそっと入れました。 (抜く) 兄「あれ? 何で白いんだろう」 妹「これ、カレーじゃない! お兄ちゃんのバカー」 兄「僕、ちゃんと作ったもん」 妹「わーん。バカバカバカ」 兄「泣かないでよ。僕まで泣きたくなっちゃうだろ」 その時 (抜く) |
![]() |
ガチャ パパ「ただいま」 ママ「今帰ったわよ」 兄「ママー!、パパー!」 ママとパパの顔を見たとたん、クマの坊やもこらえていた涙があふれ出てきました。 ママ「あらまぁ、どうしたの」 兄「カレーがぁ、カレーがぁ」 ママ「カレー? これシチューじゃない! ふたりでつくったの?」 兄「えっ! シチュー?」 そうだったのです。ゾウのおじさんがくれたルーは、シチューのルーだったのです。 |
![]() |
パパ「ふたりともありがとう」 ママ「おいしそうなシチューだわ」 兄「カレーじゃなかったけどね」 パパ「八百屋のゾウさんはシチューが大好きだからな」 兄「そっかあ」 妹「そっかあ」 ママ「けど、ママはシチュー、好きよ」 パパ「パパもシチュー、好きだぞ」 妹「あたしも!」 兄「僕もシチュー、大好き。あとね、あとね、パパとママ、」 (抜く) |
![]() |
大好き |