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@昔々ある所に、ほそっちょ王様とふとっちょ王様という2人の王様がいました。 ほそっちょ王様は骨が折れそうなほどほそく、ふとっちょ王様は雪だるまのように丸く太い。 なのに2人はいつもお互いに、 「細いのが、が一番だ」 「いやいや、太いのが、一番だ」 と言い合って、対立しているばかり。 |
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Aある日、隣の国からお姫様がやってきました。 そのお姫様は、肌が透き通るように白く、まるで天使のよう。 今までに見たことないほど、美しく、とてもきれいでした。 ほそっちょ王様とふとっちょ王様はお姫様をみた瞬間、 どぎゅん!! と胸をうたれて、恋に落ちてしまいました。 |
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B二人はさっそくお姫様に会いに行きました。 「なんてお美しいお姫様、私と結婚してください」 と、ふとっちょ王様が言いました。 でもお姫様は、結婚なんてしたくなかったので、きっと無理だろうと思い、 「私はほそっちょ王様王様みたいな体がタイプなの。だからあのような体になることができたら、結婚してあげる」 という無理な条件を付けました。 同じように、ほそっちょ王様も結婚を申し込みましたが、今度は、 「わたしはふとっちょ王様みたいな体がタイプなの。だからあのような体になることができたら、結婚してあげる」 と、言いました。 |
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Cふとっちょ王様は本当にお姫様と結婚がしたかった。 だから細くなって好かれようと、必死で走り回りました。 「わっせ、わっせ」 力いっぱい走りましたが、 |
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ボテン!! 「もうこれ以上走れない」 と倒れこんでしまいました。 |
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Dほそっちょ王様も 「ふとっちょ王様には負けていられない」 と牛乳を飲みながら、山盛りのドーナツを精いっぱい口の中に放り込みました。 しかし、食べても食べても一向に減る気配はありません。 |
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「ああ、もうこれ以上食べられない」 とほそっちょ王様もバタン と倒れこんでしまいました。 「僕にはもう無理だ」と、2人が重い顔を上げてみると、 |
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Eなんということでしょう。 ふとっちょ王様とほそっちょ王様は、太すぎず細すぎず、ちょうど良い体になってハンサムになっていたのです。 2人は、 「こ、これがぼく!?」 「これが本当にぼく?!」 と、びっくり。信じられません。 これにはテントウムシさんもアリさんもびっくり!! |
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Fこの事はすぐに国中に広がり、もう、大騒ぎ。 このうわさを聞きつけた隣の国のお姫様は、すぐさま二人に会いに行きました。 そして、2人を見た瞬間、びっくり!! 本当にハンサムになっているではありませんか。 お姫様は、こんなにハンサムだったら、どちらでもいいから結婚したいと思い、 「2人ともよく頑張りましたね。もう十分。だからどちらか片方と結婚してあげます」 といいました。 ですが、2人は自分がハンサムになったことで頭がいっぱいで、お姫様に気が付かず、前を通り過ぎてしまいました。 お姫様の事なんか、もう忘れていたのです。 |
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Gふとっちょ王様とほそっちょ王様は、 「お前のヒゲ、なかなかいいね」 「お前のマユゲも、いけてるよ」 と 対立していたころがうそのように、お互いを褒め合うほど仲が良くなりました。 国の女の子たちにもすごく人気になりました。 そして、2人はいつまでも平和に仲良く暮らしましたとさ。 |
おしまい | |