タイトル

作者名

niji_01

今日は星のお山の星祭
おサルのウッキー
小鳥のピヨコ
小象のパオタ

てっぺん目指して進むのさ

(唄)「曇りが晴れるや、気持ちも晴れるや」

3匹は歌うのが大好き




niji_02 A3匹がしばらく道を進むと、

「おや?」 ウッキーは指をさして言いました。


大きな道の真ん中で、誰かがぽつんと座っています。

……だれだろう?



2007kami13 Bそれは、ホタル君でした。ホタル君は、泣いていました。

うわーん、うわーん
大きな声で、泣いていました。
どうしたの?

3匹が尋ねても、うわーん、うわーん
「悲しいことがあったのかな いやなことがあったのかな?」

うーん、うーん
3匹は考えました。



2007kami5 Cうーん、うーん
すると、ピヨコが、「歌おうよ」と言いました。
二人は、「さんせーい」
 そうだねん、そうさ
 ぼくらはゆかいな、音楽隊歌うと気持ちも晴れるよね

どんどんぴー どんどんきー
(唄)「曇りが晴れるや、気持ちも晴れるや」
3匹が歌っていると、お山のみんなも集まってきました

どんどんぴーぽこ     どんどんきーこん



2007kami6 D少し離れた林の向こうで、お母さんホタルとお父さんホタルが、おや、誰かを探しているみたい。
「どこにいるのホタル、ホタル!!」
どうやらホタル君を探しているようです。
するとお父さんホタルが、「向こうから何か聞こえてこないかい?」

(唄)「曇りが晴れるや、気持ちも晴れるや」

ザッザッザッザ
二人は歌が聞こえる方へ、走りました。
向こうに誰か……いるかもしれない。




2007kami7 E林を抜けると、そこにはホタル君がいました。

「おかあさん!!」

ホタル君は思ひっきりお母さんんの胸に飛び込んで、なきました。






2007kami8 F「寂しかったよー、わーん」
「怖かったよー、うわーん」
ひとりで泣いていたホタル君。強い風に飛ばされてふたりとはぐれちゃったみたい。
「お帰りホタル」
お母さんはホタル君をぎゅっと抱きしめました。
日が暮れるまで抱きしめました。
日も暮れてそろそろお別れの時間です。ホタル君は皆と約束しました。
「また歌おうね」
ホタル君は何度も何度も振り返りながら、ゆっくり空へ飛び立ちました。
3つの光がぴかぴかぴか。



2007kami8 G空はすっかり真っ暗です。

星がキラキラ、静かな音楽。

今日は楽しい星祭

「あれ、ホタル君かなあ」
           おしまい