学の胎動

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夢想国師像
[むそうこくしぞう]
一幅


瑞泉寺蔵
絹本著色 軸装 縦83,7×横39,0
南北朝~室町時代


 鎌倉時代末から南北朝時代にかけて臨済宗の黄金期を築いた夢窓疎石(1275~1351)の画像。右斜め向きに曲彔に坐し、右手に竹箆を持つ全身像で、通例の頂相形式を踏襲している。筆致は幾分かたく、夢窓示寂からしばらく後に作画されたものであろう。
 上部には「本質尚如幻/影像是何容/欲見我真相/擘破太虚空/正覚国師自賛《の着賛があり、夢窓の自賛を写したものとみられるが、箱書には夢窓の法孫,空谷明応(1328~1407)の筆とある。また添状によれば、本図は文政3年(1820)に相国寺の塔頭心華院の拙庵元章より、誠拙周樗(1745~1820)の法嗣で当時瑞泉寺塔主であった淡海昌敬に贈られたものという。瑞泉寺は夢窓の開創になる円覚寺派の寺院であるが、像主ゆかりの当寺に本図が携えられたことは意義深いといえよう。



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