4コース制について
文学科には、「国文学」「中国文学」「英文学」「ドイツ文学」の4つのコースがあります。と言っても中国やイギリス・アメリカ、ましてやドイツの文学について入学前からよく知っているという人はほとんどいないでしょう。そこで文学科では、第1学年の必修科目として4つのコースすべてについて少しずつ学ぶ入門的な授業「文学科演習I」や「専門の技法」などの科目を受けてもらい、第2学年の進級時に希望するコースに分かれるという方式を取っています。これにより、今まで知らなかった新しいコースに興味を持ち、そのコースに進む人たちも少なくありません。
国文学コースの紹介
- □国文学コースの特色
- 日本の文学(国文学)には、古代から近現代にいたるまで実に多彩な数多くの作品が見られます。国文学コースでは、万葉集をはじめ、日本の主要な文学作品をまずしっかり読解し、作品の美的世界に迫ると同時に本文中に描かれた人間のあり方や思想を明らかにすることを目標にしています。文学・文芸の研究のみならず、日本語の表現や文法についても研究の対象と捉えています。また、日本文学に見られる仏教思想を究明する<仏教文学の研究>は、国文学コースの伝統的なテーマです。
- □具体的に、どのようなことを学ぶのか?
- 国文学コースでは、古典(上代・中古・中世・近世)と近代・現代の文学の授業を開講しています。古典文学を学ぶために、日本古典文法・国文法概論、あるいは国文学概論などの基礎的な授業を始めとして、万葉集・源氏物語などの講読もありますし、あるいは仏教文学の講義などもあり、各時代・ジャンルの授業が幅広く開講されています。関心のある授業を自由に受講できます。近代・現代の文学を学ぶ場合も、同様に関心のある授業を自由に受講できますが、古典文学が基礎になりますので、近・現代だけに偏らないで、幅広く古典の授業も受けるようにしてください。
- □教員免許は取れるのか?
- 国語の免許(中学1種・高校1種)を取ることができます。多くの先輩が中学・高校の教員として活躍しています。
- □卒業論文では何を書くのか?
- 学生それぞれが興味を持ったテーマで、日本文学・日本語に関した研究ならば、どんなテーマでも認めます。過去の卒業論文題目には以下のようなものがあります。
| 『源氏物語』「桐壺」に見られる中国文学の影響/六条御息所の物の怪について/『伊勢物語』における在原業平/『宇治拾遺物語』にあらわれる鬼について/『平家物語』における清盛像の展開―「怪異」は清盛像にどう影響したか/『更級日記』における作者の物語と夢の存在について/伝説・安倍清明/『南總里見八犬傳』の中の「仁義礼智忠信考悌」について/芥川龍之介・『戯作三昧』研究/谷崎潤一郎『春琴抄』にみる「美」について/島崎藤村『破戒』に関する研究/明治期に描かれた女性像/与謝野晶子研究―「君死にたまふこと勿れ」を中心に― |
- □大学院への進学はできるのか?
- 大谷大学には文学研究科6専攻の大学院があります。国文学コース卒業生が進学する場合、仏教文化専攻です。詳しくは大学院HPをご覧ください。
- □学会行事では、どのようなことが行われているのか?
- 国文学会を組織するとともに、中国文学コースと共同で文藝学会を組織しており、毎年七月に公開講演会を実施しています。また、文藝学会では、機関誌『文藝論叢』を年二回発行し、日頃の教員・大学院生の研究成果を発表しています。
中国文学コースの紹介
- □中国文学は高校までで勉強した漢文とどう違うの?
- 漢文という言い方は、あくまで国文学(日本文学)の一つのジャルとして捉えていて、中国文学といった場合は、英文学やドイツ文学などの外国文学の一つとして捉えているという事です。
- □中国文学コースの文学はここが違う!
- 文学とは文字どおり「文」に関した学問を言うのですが、では「文」とはなんでしょう。通常みなさんは文学というと、小説や詩を思いうかべると思いますが、それは「文」という文字を文字・文章という意味だと考えているからです。
でも「文」という文字は、本来古代の人々がしていた文身(入れ墨)を表した文字で、アヤという訓読みもあるように、模様や飾りを表していたのです。人間にとっての模様や飾り、言い換えるならそれは文化や文明というものです。
ですから大谷大学の中国文学コース(以下短く「中文」といいます。)では、中国の小説や詩だけではなく、中国人のものの考え方や様々な文化的事象にまで興味を持って学んで欲しいと思っています。
- □具体的に、どのようなことが学べるの?
- 中文では、古典と近・現代の文学の両方の科目を開講しています。
古典文学としては、文学史や漢文法のような基礎的講義を始めとして、唐詩や志怪・伝奇小説の講読もありますし、諸子百家という言葉でなじみのある中国哲学の科目も開講されています。
近・現代の文学を学ぶには語学の学習も必要ですので、中国語の授業や語学概論などの科目も開講されており、魯迅などの現代作家の作品も講読します。
またそうした授業のために中国語学を専門に研究している先生やネイティブ(中国出身)の先生も専任のスタッフとして加わっています。
- □文化を学ぶ授業にはどのような科目があるの?
- 「アジアを学ぶ」「世界を広げよう」「中国語を学ぼう」というセット科目が設けられており、その中で「中国の民衆文化」「メディアに見る現代中国語」「近代日本とアジア」などの講義が開講されています。また文学科の講義の中にも「中国の書物と印刷術」といったような文化系の科目もあります。
- □留学はできるの?
- 留学には、中国の大学と提携した短期留学と長期留学の二種類があります。
短期留学は、夏休み期間を利用した語学研修(一週間の研修旅行を含む)です。この留学は通常の単位としても認定されます。
長期留学は、半年ないしは一年間、休学せずに大学に籍を置いたまま留学するものです。留学中も学費を納入していれば留学先で修得した単位が認定され、4年間で卒業することが可能です。(留学制度の詳細についてはこちら)
- □教員免許は取れるの?
- 中文でも国語科の免許(中学1種・高校1種)を取ることができます。多くの先輩が中学・高校の教員として活躍しています。漢文の指導もできるということで採用の際に有利だという話も聞いています。
- □卒業論文では何を書くの?
- 学生個々が興味を持ったテーマで、中国に関連した研究ならば文化的テーマでも認めるようにしています。過去の論文題目には以下のようなものがあります。
| 『論語』に於ける『詩経』観/韓非子考/唐代文学の仏教受容/李白の詩における「雲」について/西遊記私考/中国民話における風土と民族性/日本文学に現われた中国文学の影響・魯迅の作家的形成について/中国の少数民族の伝統芸能と宗教について/天安門事件―社会的背景と人々の変化―/中国色彩考―赤色を中心に―/中日の古陶磁比較/中国遊戯考/京劇の小道具について |
- □大学院への進学はできるの?
- 大谷大学には文学研究科六専攻の大学院があります。中文出身者が主に進むのは、その中の仏教文化専攻・東洋文化コースと国際文化専攻です。詳しくは大学院のHPをご覧ください。
- □学会行事では、どのようなことが行われているの?
- 中文は中国文学会(中国文学会のHPはこちら)を組織するとともに、国文学と共同で文藝学会という学会を組織しており、外部から講師の先生をお招きして、年に一度七月に公開講演会を開催しています。これとは別に中文独自でも、年に一度講演会(十二月)を催しています。
また文芸学会では、『文藝論叢』という学会誌を年二回発行し、日頃の所属教員の研究成果を発表しています。
さらに中国文学会では、全学年合同で新入生歓迎会(四月)、卒業論文中間発表会(十一月)、卒業生予餞会(一月)なども行っています。
- □最後に、中文の願い
- 中国文学コースで、中国の様々な伝統文化や中国人のものの考え方を学ぶことによって、本当の意味での異文化理解を成し遂げ、昨今の厳しい日中関係を少しでもより良い方向へ持っていけるような、そんな人材が一人でも多く育ってくれることを願って、教員一同教育にはげんでいます。
英文学コースの紹介
- □英文学コースでは何を勉強するのか?
最近では、英文学を広い意味で「(英語で書かれた)英語文学」として捉えるようになってきていますが、本学の英文学コースでは、主としてイギリス・アメリカの小説・詩・随筆・演劇などの作品を読み、それぞれの作品が書かれた社会的・文化的背景について学んだり、人間のより普遍的な問題について考察します。原文で読むことによって、翻訳で読んだだけでは気がつかないことや、作品の読み方を学ぶことで新しい作品の意味が見えてくるのが、英文学を学ぶ醍醐味です。
- □英・米の文学作品にはどのようなものがあるのか?
- 『ハムレット』や『ロミオとジュリエット』などの作品を書いたシェイクスピアの名前を知っている人は多いでしょう。彼は16世紀のエリザベス1世の時代に活躍した歴史上最も有名なイギリスの劇作家です。また、『ロビンソン・クルーソー』や『ガリバー旅行記』などは子供向けに書き直されたものを小さい頃に読んだという人も多いと思います。この二つはどちらも18世紀のイギリスの小説です。他に『フランケンシュタイン』『ドラキュラ』『ジキル博士とハイド氏』『宝島』など、イギリスの小説とは知らずにたくさんの人が読んでいる作品も数多くあります。英文学コースで学ぶことにより、大学でなければ知る機会のない多くのすばらしい作品に出会うことができます。
- □英語学習について
- 「文学」が「ことば」の理解と切り離せない以上、英文学を専攻する人は、同時に英語学習にも力を注いでほしいと思います。本学では共通科目の第一外国語として、英語4単位が必須になっていますが、これは全員に課せられているもので必要最小限の単位数です。英文学を専攻する学生は、英文学コースの学科科目である「英語コミュニケーション演習1〜4」(
外国人教員によるWritingとReadingの科目)や、セット科目の「英語に親しむ」または「英語を深める」を履修して、英語学習に積極的に取り組んでください。
- □英語が得意でないと英文学コースには入れないのか?
- 第2学年で希望のコースに分かれる際に、英語の試験はありません。原則として、英文学コースを希望する学生は全員、受け入れています。これまで英文学コースに進んだ学生が全員、英語が得意だったわけではなく、英語がむしろ苦手な学生も大勢いました。授業では作品を原文で読むことだけに終始するわけではなく、社会的・文化的背景について学んだり、演習の授業では、作品の全体像を捉えてそれについてディスカッションするという形態をとることが多いので、そうした中で、英語ではなく英文学の作品そのものに興味を持つようになる人もいます。もちろん、英語が好きで将来は中学・高校で英語の教員になりたいと考えて、英文学コースに進む人もいます。英文学コースとしては、学びたいという意欲があれば、どちらの学生のニーズにも応えられるような態勢をとっていきたいと考えています。
- □国際文化学科との違いは?
- 文学科の英文学コースと国際文化学科の英米文化は、イギリス・アメリカを対象としている点や英語に関係しているという点で、共通したものを多く持っています。異なる点は、英文学コースで扱う対象が主として、小説・詩・演劇といった「文学」作品であるのに対して、国際文化学科で扱う対象が「文化」であるという点です。「文化」は「文学」も含みますが、異文化理解という観点から、それぞれの国の歴史・社会・宗教を含む、より広範囲な側面を含んでいます。どちらを専門として勉強したいかによって選択してください。
- □教員免許はとれるのか?
- 英語科の教員免許(中学1種・高校1種)を取る事ができます。多くの先輩が中学・高校の教員として活躍しています。ただし、採用試験が非常に難しくなっていて、現役での合格は厳しいと言われています。将来、本当に教職につきたいと考えている人は、入学時から語学留学も含めた英語の学習計画をしっかり立てる必要があります。
- □留学はできるのか?
- 留学には、短期留学と長期留学の二種類があります。短期留学は、セット「英語を深める」の中の「イギリス文化研究・実践英語」という科目で、前期の事前講義とイギリスの大学での語学研修(研修旅行を含んで約4週間)を行うものです。
長期留学は文学部の場合、半年ないしは一年間、大学に籍をおいたままで海外の大学の付属機関で語学留学をすることができ、帰国後、語学の単位として認定されます。
- □卒業論文は何を書くのか?
- 個々の学生が興味を持った作品を一つ選び、作品の主題だけでなく、作品の構造や手法・人物造形といった様々な角度から分析できるよう指導していきます。小説の場合が多いですが、演劇や詩などを選んでもいいですし、最近では『ハリー・ポッター』について卒業論文を書いた人もいます。過去の論文題目には以下のようなものがあります。
- A Study of Jonathan Swift's Gulliver's Travels
- A Study of Jane Austen's Pride and Prejudice
- A Study of Thomas Hardy's Tess of the d'Urbervilles
- A Study of D.H.Lawrence's Sons and Lovers
- A Study of Mark Twain's Adventures of Huckleberry Finn
- A Study of William Shakespeare's Macbet
論文は日本語で書きますが、希望すれば英語で書いても構いません。(過去に数人、英語で書いた人がいます。)
- □大学院への進学はできるのか?
- 本学大学院には英文学の専攻はありませんが、大学院の国際文化専攻に進学して英文学の勉強を続けることが可能です。また、英文学をより広い文化という枠組の中で捉えたり、比較文化・文学という観点からのアプローチもできます。
- □学会行事では、どのようなことが行われているのか?
英文学コースの学生と教員で構成する「大谷大学英文学会」では、年一回、学会誌『英文学会会報』を発行し、12月には研究発表及び講演会を開催しています。
ドイツ文学コースの紹介
- □ドイツ文学コースでは何を学ぶのか?
ドイツ文学コースでは、主に詩、戯曲や小説などの文学作品や、民間伝説・民謡などを原文で精読して(時には翻訳を参照しながら)、そこに表現されている詩人や作家個々人の宗教的・哲学的思想や人間存在への問い等を考究するとともに、自己自身について、更には自らの生きかたについても学びます。
また、ネイティブ・スピーカーによるコミュニケーションの授業等によって、会話力・自己表現力を身につけていきます。
- □ドイツ文学とは?
- 一般にドイツ文学というのは、ドイツという国の文学という意味ではありません。ドイツ語で書かれた文学という意味ですから、現在ドイツ語を公用語とするドイツ、オーストリア、スイスの文学はもとより、時代によっては領土の関係からポーランド、チェコ等の文学も含まれます。
- □ドイツ語学習について
- 本学では共通科目の第二外国語として、中国語、ドイツ語、フランス語それと韓国・朝鮮語が開講されています。ドイツ文学を専攻するためにはいうまでもなくドイツ語の習得が必要になります。現在、共通科目としてのドイツ語は4単位のみ必須ですから、その他にセット科目の「ドイツ語を学ぼう」や「世界を拡げよう」を履修してドイツ語の力を強化するばかりでなく、ドイツ語圏の歴史や文化も学んでください。これまで、英語が苦手だった人でもドイツ語にチャレンジしませんか?
- □国際文化学科のドイツ文化との違いは?
- 簡単に言うと、文学科のドイツ文学コースはあくまで文学作品や民間伝説などを研究対象としているのに対して、国際文化学科のドイツ文化では、文字通り、その研究対象は言語や歴史などを含む「文化」ということになり、範囲が広くなります。ドイツ語圏の文学、文化という点では共通していますが、選択の際には、入り口(学科)が違うので注意をして下さい。
- □ドイツ文学を専攻するために
- 第2学年で専門コースを決定するわけですが、その前に、「文学演習 I 」で文学全般と、ドイツ文学の基礎を学びます。その一方でドイツ語の総合的な力をつけるために、セット科目でコミュニケーション能力を身につけ、初歩的な読み物から少しずつ読解力の向上を目指し、演習や特殊演習で課題について発表しながら、更なるレベル・アップを図ります。その他、セット科目や講義によって、ドイツ語・ドイツ文学に関する知識の修得に努めます。
- □卒業論文では何を書くのか?
- 演習や講義そして特殊演習などによっていろいろな文学作品研究を行い、或いは詩人、作家の思想や本質にまで研究を進めていき、最終的には自己の研究の集大成として卒業論文があります。ドイツ文学演習
IV で卒論指導がなされます。
最近の卒業論文の題目として以下のようなものがあります。
- シュティフターの初期作品における女性像について
- シャミッソーの『影をなくした男』について
- ミャエル・エンデの『はてしない物語』論
- ヘルマン・ヘッセ研究
- リルケ研究
- シュトルム研究
- □大学院への進学はできるのか?
- 大谷大学の大学院には残念ながら、ドイツ文学の専攻はありません。従って、大学院を志望するものは国際文化を専攻してドイツ文化(ドイツ文学も可能)を研究したり、学部で学んだドイツ文学を基軸にして、例えば西洋哲学を専攻することも出来るでしょう。また他大学(京都大学や名古屋大学など)の大学院に進学してドイツ文学の研究を続ける学生もいます。
- □学会行事では、どのようなことが行われているのか?
本学の西洋関係の教員で構成する「西洋文学研究会」では、年一回、『西洋文学研究』を発行し、7月には総会及び研究発表会を開催しています。
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